ことのはbox 第4回公演 『 ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜 』

ことのはbox　第4回公演『 ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜 』を観た。

あらすじは

親に借金をしてマンションを買った若い夫婦。
完成を待ちきれず、建築中の建物に忍び込んでみると、自分たちの家となるべき部屋に、
すでにジプシーの大家族が住み着いていた。
生と死、家族と個人。その普遍的テーマを穏やかな笑いと、爽やかな涙で綴った、ハートフルストーリー。(以上ＨＰより）

横内謙介さんの脚本で色々な所で上演されている代表作とのこと。

自分はこの作品は初見だったが、正直どうにも合わなくて凄く残念だった…

すっごくモヤモヤしてしまった。

代表作で評判も良いみたいだし、こっちは素人でちゃんと内容を理解していないのかもしれないけど、自分が感じたままを書いてみる。

(感想書く気なかったけどどうにもモヤモヤして自分の考えを整理する為)

まず個人的に演劇らしい演劇ってのが苦手というのが大きい。

物語のテーマは、あらすじにも書いてある生と死を描いているのは分かった。

ただ観てて終盤のタネ明かしまでは、何が主題なのかよく理解出来なかった。

マンション(現在)：大きな木(過去)

夫(社会から縛られる日常、現実主義、つまらない)：ジプシー・妻(自由バンザイ、未来、カッコいい）

監督・職人(権力・社会的強者)：ジプシー(弾圧される者・社会的弱者)

っていう様な対比なのかなと感じた。

物語を通じて、当たり前だけど過去・現在・未来は繋がってる。何があっても時代・人間・愛情等の普遍的な事象は繋がっていくんだよ。ってことを言いたかったんだと勝手に理解した。

ある方のブログ(今回のでは無く別の劇団さんで公演したやつ)を見て

監督・職人(夫の内面)：ジプシー(妻の内面)の対比で葛藤の末にあのラストになったという視点は成程なぁと思った。

確かに言われてみるとそういう側面もあったなぁと理解出来た。

っといった感じで主題・テーマは個人的には理解出来たつもりだし、言いたいことも分かるけど、物語としてはどうなの？？？って感じで何とも。。。

まず冒頭から妻の言動にまったく共感出来ない。

夫が家族の為にって頑張って購入したマンションを始めは一緒に喜んでたのにジプシーが出て来てから、みみっちいとかつまんない考えとか言ってたのとか、パンとかを購入するシーンは？？？って理解が出来なかった。

(いきなりの変化で何があったの？？ってよく分からんかった)

夫に対しては、ダメな所やキレやすく寛大でない所等イライラする所はあるけど、基本的に共感出来たし、夫頑張れよ！って感じで観てた。

あのネタバラシの所での職人さんの告白も唐突で？？？だし、何故あの人だけ？？他の人は？？伏線あった？？って感じがしたし、何よりイラっとしたのは職人さんが自分が手掛けた部屋を破壊しようとするシーン。

職業柄、職人さんの自分が関わった仕事に対するプライドとか知っているから、あんなにあっさり破壊しようとする姿にまったく共感出来ずイラっとした！

あの職人さんだけはずっと何を考えてるか分からなかったなぁ。

何か物語を進めることだけに存在してる都合が良い役みたいなイメージになってしまった。

(役者の方は良かったので、あくまで役として)

ジプシー達に対しては、自由ってそういうことじゃなくね？って共感出来なかったが、ネタバラシ後は裏のテーマ(本質)はあぁ成程ねそうだよねっていう理解(人間のエゴ)については分かったし共感出来たけど、舞台上の現実？(夫婦が観ているジプシー達)としては、やっぱり違くない？？って共感出来ずどう観て良いのか分からなかったな。

色々あるんだけど、あとは特にラストの夫の台詞かな～

結局、そっち行っちゃうんだ！えっ！嘘だろっ！負けちゃったよ！って感じで個人的には残念なラストだし、大衆の心理って怖いなとも感じてしまった。

理想と現実は違うし、めでたしめでたしって感じで終わったけどまったくめでたく無いと思うんだけどなぁ～

全体的には結末ありきで都合よく進み過ぎじゃない？ってのを強く感じてしまった。

役者の方達は良かったし、応援している人も凄く魅力的で良かっただけに何とも残念だった。

あくまで個人的な感想で自分には合わなかったというだけなので、評価とても良いみたいだし自分が捻くれた心で狭い観方なんだとは思う。

モヤモヤして相変わらず纏まりの無い内容になってしまったな(笑)