笑演劇好きの主に観劇感想日記(たまにレイソル、ニューカッスル等)

備忘録をかねた笑演劇好きの主に個人的な趣味の演劇観劇日記 あとたまにサッカー等(レイソル、ニューカッスル) *誹謗中傷は無い様に気をつけますが、学が無い為、不適切な内容やマズイ内容ありましたらご指摘下さい。 *ネタバレあります。

劇団肋骨蜜柑同好会 『草苅事件』

現場が空いて急遽ぽっかり時間が空いてしまい、とりあえず会社にはいないといけなく現状何もすることが無いので思い出した様にブログを書く。

(関係ないけど、2年位ほぼ放置していたのに毎日ちょっとアクセスがあるのが不思議。書いてること誰にも言ってないし何処にも載せたことないのに誰がこんなブログを見ているのだろう??)

 

とは言っても書くことがなく途方にくれていたが

この前観た芝居のことを思い出し書くことにした。

 

しむじゃっくPresents劇団肋骨蜜柑同好会

『草苅事件』

 

作・演出:フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
制作:しむじゃっく

劇場:高田馬場ラビネスト

 

【出演】

淺越岳人(アガリスクエンターテイメント)
天野きょうじ(裏長屋マンションズ)
杏奈*1
岩井正宣(SPプロデュース)
加糖熱量(裃-這々)
木内コギト(\かむがふ/)
榊アユコ(劇団MAHOROBA+α)
角田佳代(劇団フジ)
トヨザワトモコ
長友美聡(:Aqua mode planning:)
ふくしまけんた(もんしろ)
福元孝盛
丸本陽子
依田玲奈
渡邉守

フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
杉山純じ(しむじゃっく)

 

『洗礼』五味川龍太郎 二〇一七年五月 空文舎刊       
『午前十時のぬけがけ』横山征夫 二〇一七年七月 空文舎刊  
『竜の棲む』川上真理子 二〇一七年十一月 想学社刊     
「境界侵犯」草苅亜嵐 二〇一八年一月 「御津門文學」増刊号  
                               
第七回清田洞爺文学賞候補作品は上の四作品に決定いたしました。
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――――しぬほど、退屈

拝啓

突然匿名にてこのような手紙を差し上げますことを、まずはお詫び申し上げます。
どうしても、辛抱なりませんでした。
もうこれ以上は、ただの一秒たりとも、堪えて居られません。
どうして私がこのような辛い目に遭わなければならないのでしょう。
私が一体、何をしたというのでしょう。
今、事ここに至ってから、後出しじゃんけんのようにこのようなことを申し上げますのは、非常に心苦しいのですけれど、
もう我慢なりません。申し上げます。
草苅亜嵐の「境界侵犯」を、第七回清田洞爺賞最終選考作品からはずしてください。
あれは、不適切です。
私は秘密を握っています。
今ここでそれを申し上げることは、私にはできません。
私だって辛いのです。ご理解ください。
とにかくあれは、だめです。
あれが、受賞することだけは、なんとしても避けなければなりません。
絶対にです。
これは最後の忠告です。
この手紙は貴社だけに送っているものではありません。
この意味が、わかりますか?
あなたがたの良心に、期待しています。

敬具
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新聞社が主催する気鋭の新人文学賞、清田洞爺文学賞
その授賞発表記者会見の場に巻き起こる虚無と不毛と疑念の嵐。
しむじゃっくと劇団肋骨蜜柑同好会がタッグを組んであなたに贈る、血で血を洗う文芸スキャンダル。
"懐疑"は踊る、ルンバのリズムで!

 

(以上HPより)

 

 

ということで、肋骨蜜柑同好会を観てきた。

いつもはTwitterに感想を書くんだが、観劇後の疲れで書くタイミングを逃したのと千秋楽も観るからその時に書けば良いやと思って書いて無かった。

 

肋骨蜜柑同好会は「アダムの肋骨」と「愛の技巧」しか拝見したことがなかったはず。

結論としては、全部は理解出来なかったけどフジタさんの世界観満載で個人的にはグッと引き込まれて面白かった!

 

130分で正直長いし考えながら観るから凄く疲れる劇ではある。

 

超ざっくりした内容は

(記憶なんで結構適当です。一回観ただけでは到底覚えられない程、面倒くさい話しなんで 笑 )

草苅亜嵐著の「境界侵犯」が清田洞爺文学賞を受賞してその授賞発表記者会見が舞台。

 

舞台には、演壇と審査員席と記者席があり、記者席の後ろが客席になっており観客も記者として会見を見守っているという形。

(受付で記者証を貰い首にかけて観劇する)

 

草苅亜嵐は覆面作家で誰が書いたのか分からない。

会見には草苅の代理人と言う占い師の瓦山がスピーチするのだが、「「境界侵犯」は受賞する価値の無い作品。これは意味の無い文章の羅列である。選考委員含め皆さん本当に読んだんですか?」とぶちまけることにより会見は紛糾。

 

そこから、何だかんだあり、他の落選した作家達(五味川、横山、川上)乱入してきて更に紛糾し、各選考委員の選評の話しがあったり、記者の小田島から手紙の存在に関する質疑等等が続いていく。

(まぁ各キャラ個性が強くて面倒くさい。淺越さんがアガリスクまんまの超面倒くさいやつで笑ったな)

 

「草苅亜嵐」って誰なのよ?「境界侵犯」って何なのよ??って謎が深まっていく中、落選した作家の五味川が「草苅亜嵐は自分だ!」と告白した為、紛糾。

 

ここでそれまでこの会見に余り関わってこなかった渡会理砂が

(清田洞爺の孫である会長の渡会治子の娘で選考委員である)

「いや五味川が何故嘘を付いているのか分からないが草苅亜嵐は自分である!」と高らかに宣言してまた紛糾。

(とりあえず紛糾しっぱなしの劇だな 笑 )

 

五味川と渡会との色々な関係の話しが出てくるし、しまいに代理人の瓦山は「五味川も渡会も草苅亜嵐ではない!」と言い出すから、もう本当に誰が草苅なんだよって展開に。

 

諸々あって「境界侵犯」ってどんな本だっけ?誰も内容言えないじゃん??って所で前半の方で、新聞記者樋口の後輩である原田が登場人物の中で唯一「境界侵犯」を読んだことがないとのことで、借りてずっと読んでるんだけど実は白紙の本じゃないかということが判明するが、原田は読んでると言い張る。

 

ここで本当に皆が「境界侵犯」を本当に読んだのか自信が無くなり「境界侵犯」とは何なのか?草苅亜嵐とは誰なのか??と真相は「藪の中」で藪の中の草を苅って苅っても真相は。。。といった感じで終わっていく。

 

だから「草苅事件」という内容。

(繰り返すが1回観ただけでは全部理解記憶出来ないので内容結構間違ってると思います。)

 

結局、「草苅亜嵐」と「境界侵犯」の真相は分からないまま終わるので人によっては消化不良という感じで好みが分かれる内容だと思うんだけど個人的には、自分も記者会見に参加している記者で真相を考えながら頭使っての観劇ですげー疲れるけど面白かった!

 

ただやっぱり長いとは感じたな。

(各登場人物それぞれにスポットを当ててるのと、展開的にそうなってしまうというのは理解出来るんだけどね。)

 

あと各登場人物で芝居の方向性?空気感?の統一が無くて、どうなの??って役もあるんだけど、全体的には楽しく観れた。

 

真相が分からず誰が嘘を付いているのか分からないまま終わるのはまさに芥川龍之介の「藪の中」だね。

(帰りに久しぶりに青空文庫の藪の中を読んで帰った。)

 

「物語と現実の境界とは」、「舞台と観客の境界とは」、「虚無と空虚の境界とは」と色んな境界を侵食していくことを個人的には思って問題になる本のタイトルが「境界侵犯」というのは上手いな~と思った。

 

考えるのは無意味なんだろうけど、草苅亜嵐は黒澤だったのではと考えてみたり。

手紙を出した人というのもあるし、運営委員だから内部っちゃ内部の人だし、何より黒澤ということで「羅生門」ってことで(笑)

 

特に引き込まれたシーンは2つ

(この2つがあったから面白かったと言えるんだと思う。)

 

選考委員長の古淵の終盤の選評を発表する長台詞シーン。

そこまでは保守的というか余り人格が見えない感じでそこまで印象には残らないのだがこのシーンは淡々と述べていくんだが、古淵の芯の強さというか凄かったな~

パンクの下りの回収も見事だったし。

このシーンを千秋楽もう一回観れるのは本当に楽しみ!

 

 

もう一つは渡会理砂の告白をする長台詞シーン

渡会もこのシーンまでは一人空気感が違うんだけどそんなに印象が強くない人間。

このシーンからググッと存在感を出してくるんだけど、この長台詞シーンは凄かった。

渡会のお母さんとの関係、五味川との関係等の色々な内に秘めた葛藤と凛とした芯の強さが爆発したシーンで物凄く引き込まれて強烈に印象に残る。

 

演じているのは杏奈さん。

 

個人的に好きで応援している役者さんで、まだそんなに多くの舞台を拝見したことはないんだけど(7,8作位??)、個人的には今まで拝見した中で一番好きで凄く引き込まれてしまい、凄く良かった!

 

今までは明るい役というか可愛らしくほんわかした役が多くて、拝見して笑顔になる役が多かった印象だったけど、今回のは語弊あるし上手い言い方が思いつかないので物凄く言い方悪くて大変失礼なんだけど容姿とか関係なく純粋に役者さんとして本当に芝居に引き込まれてた。

(いや、いつも役者さんとしてちゃんと見てるつもりではあるんだけどね。)

 

何か凄く精一杯生きようとしている強さを感じたな。

 

芝居とは関係ないんだけど、杏奈さんは毎回、フォロワーじゃない人の感想でも良い感想・悪い感想の関係無く全部に観劇の御礼等のメッセージを面倒くさがらずに返していてすごくしっかりした方で偉いな~といつも思ってて、応援したくなる役者さん。

(お話しとかしたことないので、実際はどんな方なのかは分からないけど。)

 

何か今回は杏奈さん自体が肋骨蜜柑のファンということもあるのか分からないがフジタさんの世界観にとても合っていて、もうフジタさんだなと感じたな(笑)

 

芝居のことなんて素人で全然分からないけど、今回ので一段上のステージに上がったのかなと思ってみたり。(本当に素人の戯言で失礼だけど。)

  

そんなこんなでダラダラと脈略も内容無いことを思うまま書いてたら、良い時間になったので相変わらず纏まらないけど、これ位にしとこうかな。

(どうせ誰もみないしね)

 

とりあえず29日の千秋楽を観るのが楽しみだな!!

(木曜日に書いていたが、書くの久しぶり過ぎて間違って下書き保存にしてたのに気付いた 笑)

*1:石榴の花が咲いてる。