第27班『10歳が僕たちを見ている』
○2016年4月24日(日)
第27班 本公演 5つめ 『10歳が僕たちを見ている』@アトリエヘリコプター
【脚本・演出】
深谷晃成(第27班)
【出演】
鈴木 研
富田喜助
七瀬ゆうな
三宅 勝(以上、第27班)
藤木陽一(アナログスイッチ)
岩崎 緑
猪又義雄
池田萌子
板橋優里
(HPより)
【STORY】
10歳の時、僕たちは本当に「良い奴」だった。
地元の裏山が遊び場だった僕たちの毎日は放課後に駄菓子屋で食料を確保した後、
自転車に乗り山の中腹部の秘密基地でポケモンをやる事が日課になっていた。
25歳の現在。平成28年。
タケオはWebデザインの会社で働いてる。先月の労働時間が400時間を超えたらしい。
ナベは就活が上手くいかず院逃げしたけれど、公務員試験に落ちて未だに無職だ。
フリーターのシンゴは彼女と都内で同棲しているけど、仲はあまり良くないようだ。
そこそこ有名バンドでギターをしているヒロヤをこの間テレビで見かけた。
そして先月、ハリーが刑務所から出所したという噂がどこからか聞こえた。
あの頃の「僕たち」に。15年前にもう一度。
「僕たちは割と早いうちから成りたくない大人になっている」 (HPより)
こちらの劇団さんは何度も拝見している所。
個人的には、短編物が秀逸で、長編物はそんなに合わないかなというのが正直な印象であったが
今作はとても面白かった!
相変わらず爽やかな群像劇で男子のいつまでたっても子供な感じと女子のある意味現実主義
みたいなバランスがとても良かった。
あとここはいつも終わり方がタイトルとの結び付けが秀逸で心地よい感じで終わってくれるのでとても好き。
今回も10歳が僕たちを見ているというタイトルだったが
タイムカプセルという方法で昔の10歳だった頃の自分達が今の自分達をどう見るか等の
ノスタルジーな視点と池田さん演じる現実の10歳の子供が今の自分達を見ている視点で
結び付けが上手く爽やかな終わり方でとても良かった。
深谷さんの脚本は何というか嫌味が無いから安心して見れる。
役者さんでいくとハリー役のアナログスイッチ所属の藤木さん、同じくアナログスイッチで良く拝見する板橋さん
がとても面白かった!
藤木さんのジャイアンみたいな傍若無人な感じが一人異質で強引に物語を進めていく感じが
この物語には不可欠で良かったし、単純に理不尽な振る舞いに笑ってしまった。
馬鹿だなぁ〜と思うんだけど、何か憎めないし、結局一番好きになっちゃう役だったな。
板橋さんは、単純に黙って睨んでる姿が個人的に大好きでいつも笑ってしまう。
ぶっきらぼうで現実的で、おばあちゃんみたいな喋り方も好きだったなぁ。
いつも演じてるんじゃなくて素なんじゃね?って感じる演技で大好きなので
色んな劇団さんで観たい役者さん。
七瀬ゆうなさんも良かった。
特に始めの方の猪又さんとの喧嘩のシーンが良かった。
今まではコメディという面ではそんなに印象に無かった役者さんなのだが
直近でコメディの客演を観ていたのもあると思うが、最近は間とかテンポがとても良く
コメディの演技も上手いんだなぁと思っていて、今回もこれって意外と素なのかな?
と思わされる程良かったし、笑ってしまった。
岩崎さんは、かなり色んな所で拝見しているが、いつも印象や雰囲気が違うし
極端に言えば顔も違って見える位。
今回は、見守るシーンや切ないシーンがとても印象に残ったな。
富田さんの役は、個人的にはハリーとの対比でハリーと同様に不可欠な役だったと思う。
鈴木さん、三宅さんもそうだけど、劇団員の方々は無理に出過ぎず邪魔をしないし、
メリハリがありスマートでとても良いなと思う役者さん達。
そんなこんなで纏まらなかったけど、とても満足だった芝居でした!
また次回作も是非観てみたい!!